『ひとりかごめ』―“可愛い”の奥に潜む恐怖。工場勤務の怪異から読む不条理ホラー集|どこで読める?
『ひとりかごめ』―“可愛い”の奥に潜む恐怖。工場勤務の怪異から読む不条理ホラー集|どこで読める?
可愛らしさと不気味さが同居する、雨がっぱ少女群の異色ホラー短編集
『ひとりかごめ』は、雨がっぱ少女群氏による全12話収録のホラー短編集です。ひと目見れば「ほのぼの日常系か?」と思わせる柔らかな絵柄。しかしその実態は、不条理・理不尽・不気味・悪意といった、読む者の心をざわつかせる濃密なホラーが詰まった一冊です。
この記事では、『ひとりかごめ』の概要と魅力を紹介しながら、注目キーワード「工場勤務」に関するエピソードを深掘りし、さらに「どこで読めるのか?」という疑問に答えるために、【イーブックジャパン】と【ブックライブ】での配信情報を掲載しています。
あらすじと世界観|“見えない何か”が日常を侵食してくる…
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「ひとりかごめ」イメージイラスト。 |
『ひとりかごめ』は、少女たちが主人公となる12の短編で構成されています。物語の多くは、ちょっとした違和感や奇妙な出来事から始まり、やがて読者を“落ちてはならない闇”へと誘います。
幽霊や怪異はもちろん登場しますが、重要なのは彼らが必ずしも理由を語らず、救いを与えないこと。その理不尽さが“本物の怖さ”を生み出しているのです。
注目の一編:「工場勤務」|死者が蠢く、終わらない勤務
12編の中でも特に読後のインパクトが強いのが第二話「工場勤務」です。![]() |
「工場勤務」イメージイラスト。 |
闇に呑まれるライン作業
本作では、ある陰鬱な工場を舞台に、すでに亡くなった工員が働き続けているというおぞましい状況が描かれます。表情のない作業員たちは、生きているのか死んでいるのかすら判別がつかず、静かに“増えて”いきます。
主人公が働くこの工場には、すでに生者がほとんどおらず、死者が生者を“道連れ”にしているのではないかという気配が漂っています。読後には「こんな職場にいたら……」という現実への恐怖がじわりと染みわたる秀逸なエピソードです。
その他の魅力的な短編たち
●「夢うつつ」―夢の中の怪我が現実になる恐怖
全身を負傷した少年の告白。「夢の中で怪我をした」という彼の言葉が真実だったと気づく時、少女の選択は取り返しのつかない結末を生む――。
●「ひとりかごめ」―表題作の“奇行少女”
周囲を気にせず、1人で「かごめかごめ」を続ける少女。背後に“何か”の気配を感じた彼女のとった異様な行動とは…。
●「遺された調理法」―“味”に込められた過去
商用でかつての故郷を訪れた男。再訪した食堂で出されたのは、忘れられない、あの“味”だった。
『ひとりかごめ』はどこで読める?
本作は現在、主要な電子書籍サービスで配信されています。以下のサービスで、いつでもどこでも雨がっぱ少女群の世界に浸ることができます。
イーブックジャパンで読める!
電子書籍に特化した「イーブックジャパン」では、『ひとりかごめ』を高画質で読むことができます。独自の割引セールや初回クーポンも豊富で、伊藤潤二作品などのホラー系ラインナップも充実しています。
ブックライブで読める!
「ブックライブ」は操作性の良さとレビュー機能が魅力の電子書籍ストア。『ひとりかごめ』の試し読みも可能なので、「気になってはいるけれど怖すぎたらどうしよう」という方にも安心です。
まとめ|“可愛い”の皮を剥けば、そこには“怖さ”が潜んでいる
『ひとりかごめ』は、見た目の可愛らしさとは裏腹に、読み手の心を侵食してくる“日常型ホラー”の極致とも言える作品です。特に「工場勤務」などは、現実世界にも通じる恐怖を内包しており、ホラー初心者からマニアまで広くおすすめできます。
しかしその絵柄に反して多少のグロ描写がありますので、グロが苦手な方は注意が必要かも知れません。
「どこで読める?」と迷ったら、まずはイーブックジャパンかブックライブをチェック。あなたの日常に、ほんの少し“違和感”を加えてみませんか?
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